ごきげんよう。きいです。
先日訪問に伺った利用者様は、アルツハイマー型認知症の方。
水分摂取量が少なくなってしまい、便秘となり、その結果食事を食べなくなり点滴が開始となった…という方です。
排便コントロールと数日間の点滴で、すっかり元気になった利用者様。
モリモリご飯を食べて…歩き回るようになりました。
朝、ご家族が目を覚まし、一番最初にすることは自宅の「被害状況の確認(ご家族談)」。
夜中に目を覚ましてトイレに無事辿り着けても、大抵は間に合わないので、どこかしらが汚されているから拭き掃除は必須。
汚れたオムツや尿とりパッドが隠されているのを見つけては、こっそり処分。
あちこちに詰め込まれた「汚れたトイレットペーパー」を見付けては捨てる。
トイレにたどり着けず、庭に出てしまうこともあるので、雨の日は足裏やパジャマが泥だらけ。
それで家の中を歩き回ったり、ベッドに戻って眠るので、そこにも泥が…。
利用者様の汚れた身体をきれいにするために、朝からシャワーを浴びさせ着替えをさせて。
掃除と洗濯、調理と買い物に片付け諸々。
気が付けば時間はあっという間に過ぎていく…そんな毎日。
このご家族様の、介護に費やす時間は膨大です。
もちろん、デイサービスとショートステイを定期的に利用しています。
訪問看護師と話をしたり、いろいろなヒントを貰うのが嬉しいと仰います。
そんな、「要介護1の利用者様」を献身的に介護を続けるご家族に問いかけました。
「とても献身的に介護をされているのが伝わってきます。だけど私は、排泄の失敗の片付けは介護の中でも負担が重いことだと考えています。嫌になったり施設入所を考えたことはあるのですか?」
するとご家族様は…「あきらめました」と仰いました。
「ケアマネさんと施設入所について話をするんですけれど。『要介護1では…』で終わっちゃうんです」とのこと。
「一番頭に来るのは、汚れたトイレットペーパーがポケットから出て来たり、予備のトイレットペーパーの芯から出てきたとき。そういう時はケンカになっちゃうんです。」
「そのケンカが、ガス抜きになる」と仰いますが…。
かなりシビアな状況だと思いました。
この利用者様…とっても穏やかで、いつもニコニコしています。
私の訪問を喜んでくれて、手を握っては「温かい手ね~」と笑ってくれる素敵な方なんです。
この利用者様とご家族様。
「何とかしてあげたい」と、本当に思うお二人なんです。
ご家族様とのお話の中で「一番良いと思うのは、施設で安全に過ごしてくれること」という言葉も聞かれました。
ポジティブに考え、頑張るご家族様…。
頑張れるからと自分の時間を犠牲にして良いわけじゃない。
一日一日と老化が進むのは、利用者様だけではない。ご家族様の健康も大切!
よし。それに向けて、少しでも動き出せることを探そう!
今回も…〝つづく〟