「経営者自身が介護を知る」

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 前回・前々回と、介護の負担についてだとか、介護と仕事について、個人的な見解を述べさせていただいていたところですが…。

 皆さん、「ビジネスケアラーの数は現在増加傾向であり、2030年時点では約318万人に上り、経済損失額は約9兆円という試算が出されています。」「企業にとっても、従業員が抱える介護の問題は、従業員本人のパフォーマンスの低下や介護離職などに繋がり、結果として、事業活動の継続にも大きなリスクを生じさせることになります。そのため、企業としての取り組みを進めるべき重要な時期に来ています。」と聞いて…どう思われますか?

仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン

 経済産業省は、仕事をしながら家族の介護に従事する従業員(ビジネスケアラー)を取り巻く課題への対応として、企業経営における仕事と介護の両立支援が必要となる背景・意義や両立支援の進め方などをまとめた「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表しました。

 そういう記事を見つけたんですけれど…。

 訪問看護師の常勤として勤務し、24時間緊急対応もしながら。

 子供の受験を乗り越え、就職を迎え。

 認知症の母の介護とがん末期の兄の在宅療養…を体験した私としましては…。

 経済産業省さん…「遅くない?」

 そう思っちゃいます。

 今から「知る」ところから始めていたら。

 もうとっくに動き出していないといけない?いやいや。もう、形になっていないといけないくらいだと思うのに。

 そして…。

 介護発生による負担としては、直接的な介助(食事・排泄・入浴等)に起因する肉体的な負担だけではなく、介護サービスに関する情報収集、ケアマネジャーや介護事業者とのコミュニケーション、見守り、外出の付き添い、医療的介入等における意思決定といった精神的負担にも目を向ける必要がある。

 …と、書いてあるけれど。

 実際は「そんなもんじゃない」のです。

・夜中に何度も起こされる。夜中に徘徊しようとする親を止めなくてはいけない。

・尿とりパッドをトイレに詰まらせ、水浸しにされる。

・出勤前に洗濯物を干していたら、ベランダに閉め出された。

・食事をしたらすぐに片づけをしないと、食器を掃除用スポンジで洗われてしまう。

・それがいつ起こるか予測ができない。安心して眠れない。

 ああ、まりぃさんのエピソードだけでも、全部を書いていたらきりがない!

 そんな毎日を送りながら仕事をしている人がいる事を、想像できるかしら…。

 私の体験は、今までのブログに書いてきたので、上記のエピソードももちろん残っているし、その時の私の気持ちも残っています。

 だけど、介護のケースだけ、もっともっとたくさんの出来事があります。

 医療的なケアが必要な方がいたり、特別な配慮が必要な食事を作って食べさせてあげないといけない方もいる。寝たきりの方。オムツの交換が必要な方。しょっちゅう意識を失ったり、転倒しては骨折をする方。一日に何度も血糖を測定してインシュリンを打たないといけない方。着るもの、部屋の環境にも気を配らないといけない方。

 それは今も、在宅という現場にたくさんいらっしゃるのです。

まずは知る事から

 もちろん、もうすでに何年も前から着手している企業もあるでしょうし、「介護について十分知っています」「自分も体験者です」「実は、自分自身が要介護です」という経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

 でもきっと、少数派だと思うのです。

 経営者という立場にある事の大変さ、重圧、そこに至るまでの努力と犠牲にしてきたこと。

 介護をしていたら、そこまでの立場に至ることが叶わないと思うのです。

 だからこそ、分からないことではないかと思うのです。

 それを「知る」ところから。

 「従業員の現状把握」と「介護とは」を同時進行で。

 企業も、国も、私達も。

 本当に大変‼

タイトルとURLをコピーしました