「今季最強寒波」の襲来が報道され、「大雪や寒さへの備えを」と呼びかけが行われています。
病気がなく、生活の能力もある人にとっては「気を付けないと」という話かもしれませんが、高齢者世帯・独居・認知症・要介護状態等の方々にとっては命に関わるレベルの問題となることも有り得ます。
体調と生活への影響
ただでさえ水道光熱費が上がって大変な時。
暖房の設定も低めに設定されているご家庭が増えています。
そこへ最強寒波の襲来です。
高齢者世帯・独居・認知症・要介護状態等の方々が暖房の温度設定を調節できるか?
古い暖房器具を使おうとして出火しないか?
炬燵の中で長時間過ごすうちに、脱水になってしまわないか?
布団にくるまって過ごすうちに、飲食もせず布団の中で失禁…なんていうことにならないか?
そんな心配がよぎります。
電線が切れて広範囲の地域で停電が起こる。水道管が破裂。
停電・断水が発生すると、皆さん大混乱ではないでしょうか?生活自体が成り立たなくなる可能性もあります。
スーパーでは商品が品薄になったり、暖房用燃料が手に入りにくくなることも予測されるそうです。
これは災害。
だけど、地震や津波のような予測できないものではなく、寒波は予測ができること。
あらかじめの備えをしておきましょう。
大抵の方は、生活用品・飲料水・食料の備蓄で対応することができるでしょう。
電気も家庭用充電器などがネットでも購入できます。
だけど…。高齢者世帯・独居・認知症・要介護状態等の方々の場合はどうでしょう。
私が一番心配するのは、やはり認知症の方々。
雪が降り始めると「畑の様子を見に行ってくる」と、家を出たまま帰って来れなくなる。
停電や断水に適切な対応ができない。
室温調整や衣類の調整もできない。
身体の動きが悪くなり転倒してしまう。
そんなことが起こるかもしれません。
対策
そんな時は、家族の見守りがあるといいなとは思います。
だけど、それが難しい方々がいらっしゃることも分かっています。
そんな皆様へお伝えしたいこと。
私は「緊急ショートステイ」と呼ばれる方法が安心だと思います。
定期的にショートステイを利用している方の中には「台風が来るとき」「大雪が予想されるとき」「夏の暑い間」「冬の寒い間」等をシュート先で過ごされる方がいらっしゃいます。
日頃から介護サービスを利用する必要があるのですが…。
ある利用者様は夏に熱中症のため玄関先で倒れてしまい、熱いコンクリートの上に横になっていたことが原因で火傷を負ってしまいました。
それをきっかけに訪問看護が導入になり、体調管理と緊急時対応を継続していました。
家は古い日本家屋。築何十年かは分かりません。隙間風が入り「(夏は暑くて冬は寒い)天然の冷暖房だ」と笑います。台風の後は天井に穴が開いていました。
ぶかぶかした畳の部屋。麻痺のある体での一人で暮らし。しょっちゅう転倒し、流血したり打撲を負っています。
その方が、先ほど言ったショートステイを上手に利用されているのです。
暑いときには涼しく過ごし、寒いときには温かく過ごすことができます。食事に困ることもありません。とにかく安全です。
ショートステイはこのような時ばかりではなく、家族の体調不良や入院治療・家族が数日間遠方へ行かないといけないとき・冠婚葬祭などの時に利用すれば、介護する家族にとっても、心強い助けになります。
もちろん介護保険を利用するための各種申請やケアマネジャーとの契約、認定調査等、一からのスタートになる方の場合は、時間的に「今季最強寒波」には間に合わないけれど…。
新型コロナの影響で、ショートステイの受け入れをストップしている施設もあるかも知れないけれど。
それでも親の介護で、介護保険の利用を考える皆様にとって「考えるきっかけ」になるかも知れないと思い、お伝えしました。