兄の決心

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 実は、兄が「愛車のスバルを手放す」という決心をしました。

 車検を通して修理をして、税金と訪問者用に借りている駐車場の料金を納める事を続けて、いつ乗れるか分からないスバルを手元に置くか?それとも胸の痛みをこらえながら「恋人」とお別れをするか。ずっとずっと悩んでいたのですが、いよいよ決心したのです。

私はやりたくない

 事のきっかけは「もしスバルを売却したらいくらになるのか?」を検索サイトで調べたこと。

 思いの外、心が揺れるお値段だったらしい…。

 急に兄から「コンビニで住民票と印鑑証明を取って来てもらえますか?」とLINEが来て、私は兄がスバルと別れる決心をしたことを知りました。

 私としては「兄が亡くなった後に、相続人として売却すること」をしなくて済むことがありがたかったのです。

 兄のことだからきっと余命いくばくもないベッドの上で、スバルの心配をしながら弱っていくことになりそうな気がしていました。

 それも私にとっては気が重いことでした。

 スバルはそれだけ思い入れがある、大切なものだったのです。

 その大切なものを、私が処分する…。できればその役割を担うことは避けたかったのです。

 だから兄の決心が揺らがないうちに、粛々と手続きに必要な物を入手する助けをしたいと思います。

気力がなくなった

 兄は、私に言いました。

「これから元気になって出かけようと思う、気力がなくなった」

…そうか。それが一番の原因だったのか。

 いや、それともスバルを手放すことになったから、気力が無くなったのか。

 私は…その言葉に対する返事はできませんでした。

「手続き、手伝うからさ」

それしか言えませんでした。

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