ごきげんよう!きいです。
「このまま入院で良いですか?」
これは兄が入院している緩和病棟のM先生から言われた言葉です。その意味は「退院をお考えにはなりませんか?」ということだと思いました。
逆に伺いたいです、先生。兄は退院しても大丈夫なのですか?
難しい問題
これは…とても難しい問題だと思いました。
他の病棟に入院している、他の疾患の患者様に対してなら、きっと先生は「もう退院しても大丈夫ですよ」と言うのでしょうね。
だけど兄はそうではなくて…。
脱水や低栄養は改善され、元々の食欲不振・全身の倦怠感も今は軽減しています。
兄から「悪いものが抜けた」という感じもします。
歩行器で室内のトイレへ(と言っても2m程の距離ですが)歩いて行けるようにもなりました。
ですが、兄の癌自体は良くなっていません。
先生も「大丈夫だから退院を」とは言えないのではないかと思いました。
病気は良くなっておらず、症状が改善しただけの患者…といったところでしょうか。
このような場合は、本人と家族の気持ちを確認することになるのだろうと思いました。
状態が安定しているのならば、入院を希望している次の方のためにお部屋を空けることも必要です。
自宅へ戻れば、訪問診療も訪問看護も支援可能な環境があるのですもの。
だけど家に戻ってすぐに、また同じような状況になるのではないかという、不安が若干あるのは事実です。
兄へ「こうなったらまた家でやって行けるかな?っていう指標って何かある?」と聞いてみました。
兄は「トイレに普通に歩いていけないと困るかな」と言いました。
そうでした。
兄の部屋はバリアフリーではなく、段差もしっかりあります。
歩行器や車椅子で、部屋から廊下へ出るためにドアを通り抜けるとき。トイレのドアを開いて中へ入るとき。そのスペースが狭いのです。
「 杖歩行か伝い歩きでトイレまで移動できること」
これが退院の目安になるのではないかと思いました。
兄はおひとりさま。
退院したら、一人での生活に戻るのです。