面会

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 兄の元へは毎日面会に通っています。

入院の翌日から兄は歩くことができなくなりました。

「また退院してくる日を待っている」

 兄は私が面会に来たと気付き、目を開けると「しんどいんだ…」と言いました。

 「うん」

 それしか言えませんでした。

 訪問看護ステーションのみんなが気にかけてくれていること。

 のんさんも「また退院してくる日を待っている」と言ってくれていること。

 ベッドサイドに腰を掛け、膝を擦りながら伝えます。

 兄は頷きながら聞いてくれます。

 時々自力で姿勢を変えるのですが、私に背を向けたので、入院前のように仙骨周囲を擦りました。

 兄はまたじっと身を任せているようでした。

 兄の訪問に入ってくれていたスタッフから「きいには、まりぃさんのことも自分のことも、世話になってばかりだ」と話していたことを聞きました。

 なんで直接言ってくれないんだろう。

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