兄の桜 ~その後~

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 以前、兄が購入した桜の盆栽。二本の桜の枝がそれぞれ可愛く花を咲かせていましたが…。

 そのうちの一本が枯れてしまいました。

 延びた枝が折れてしまったのが原因なのでしょうか…。

枯れた桜

 向かって右側の桜が枯れてしまいました。

 従姉は「桜は上級者向け」と言っていました。

 ああ。なんでこんな時に…。

 そんな気がしました。

 その従姉が面会に来てくれました。

「来たよ」と声を掛けると、兄はわずかに頷きました。

その動きは確かなものでした。

ですが、従姉とは会話はできませんでした。

帰りがけ、兄に「お兄ちゃんの桜。家に預かっているからね」というと、兄はやっと聞き取れる程の微かな声で言いました。

「ありがと」 

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