ごきげんよう!きいです。
まりぃさんが介護保険サービスを利用するために介護保険の申請を済ませ、認定調査のお約束をしました。契約を交わしたケアマネジャーの、のんさんも同席して下さることになりました。今回はその時のまりぃさんの張りきった様子についてと、その裏できいが調査員さんへ補足した情報についてのお話しです。
認定調査ってなに?
認定調査では、認定調査員が自宅や入院先を訪問して本人や家族に聞き取り調査を行い、心身の状態を判定します。
身体を思い通りに動かすことができるか
起き上がりや寝返りなどが可能か
視力や聴力に問題はないか
歯磨きや洗面が自分でできるか
衣類の着替えができるか
意思の伝達に問題はないか
生年月日や年齢が分かるか
徘徊することがあるか
物忘れの状況
被害妄想や作り話をすることがあるか
同じ話ばかりをするのか
大声を出したり物を壊すような行動があるかどうか
薬を正しく飲めているか
買い物や金銭管理に問題はないか
簡単な調理はできるか
今日が何月何日で、今どこにいるのかが分かるか…などなどの確認が行われるわけです。
その調査の内容がコンピューターで分析され、介護にどれくらいの時間が必要な状況であるかを判定されるのだそうです。その結果と、市町村から主治医へ作成を依頼された意見書を元に、介護認定調査会という会議で要介護度が決定します。
介護度が重いほど、たくさんの介護保険を利用したサービスを、収入に応じた自己負担割合で利用できることになるのです。
認定調査の現場からお伝えします。
まりぃさんは、認定調査員さんに対しても、笑顔でおもてなしです。にこにこと笑いながら質問にも答えていきます。
「朝ご飯はしっかり食べられましたか?」
「ええ、いつも通りに食べましたよ」
「それは良かったですね。今日の朝ご飯は何を召し上がったんですか?」
「えーっと、何だったかしら。でもいつもと同じように食べられたんですよ」
…と、そんな感じです。
妙に張り切って、歩く時にも背筋をピンと伸ばしていつもよりスタスタと歩きます。
そして言います。「お風呂も一人で入れるし、トイレで失敗したことも一度もありません、大人なんですから当たり前じゃないですか。料理だってできます」と…。
あらあら…。どのお口がおっしゃるのかしら?
まりぃさんとの面接の様子を、のんさんは時々メモを取りながら見守ります。
私は、調査員さんやまりぃさんから、意見や補足を求められたときにそれに答えました。
認知症があるとはいえ、本人の前で「本人はああいっていますが、実はあれもこれもできないんですよ」といったことは言えません。プライドを傷つけてしまいます。
それは調査員さんも心得たもので、まりぃさんがトイレに行っている間や、お帰りになる前に玄関先で、私に対して〝本人のお話しと、事実は違いますか?〟と確認してくれました。
私は言いました。「入浴は浴槽をまたげないのでシャワーだけです。私が声を掛けて手伝わないと入れません。トイレは時々失敗するので、尿とりパッドを使っています。料理は転居後、一度もしていません」
調査員さんは手元のチェックシートに書き込みながら話を聞いていましたが、私の話を聞いた後、〝作話がある〟の項目にチェックを付けていたのを思い出します。
認定調査で、できないことをできると言ってしまうと要介護度が低くなってしまいます。すると必要なサービスが受けられなくなったり、少ない回数しか利用できなくなってしまいます。
逆にできることをできないと言ってもいけません。適切なサービスを利用するためには、今の正しい身体と精神の状況、生活状況と困っている事を、正しく伝えることが大切なのです。
そしてまりぃさんは、「要介護1」の結果が出ました。
のんさんは、その結果を受けてデイサービスの利用頻度を〝平日の週2回と土曜日は隔週で利用〟というプランを立ててくれました。
早速まりぃさんが通うデイサービスを決めるため、見学に行く日程を相談しました。のんさんが知っているデイサービスの中から、まりぃさんに合いそうな三か所を提案してもらい、一緒に見学に行くことになりました。