ごきげんよう。きいです。
少し前の話になりますが…。高齢の方(とは限らないけれど)の周囲に漂う臭いの元って…と感じたエピソードをお伝えします。
ある高齢者施設に、間もなくお看取りとなる高齢の方がいらっしゃいました。
私が勤める訪問看護ステーションでエンゼルケアをしてもらいたいという、ご家族様の希望で依頼をいただきました。
認知症も進み、寝たきりとなったAさんは「老衰」の診断です。
食事が摂れなくなり、水分も摂れなくなっています。ほとんどの時間ウトウトと眠って時間が過ぎています。
このAさん、口腔ケア用のスポンジブラシに嚙みついてしまうので「ケアをさせてもらえないんです」と施設のスタッフさんから伺いました。
カサカサに乾燥した唇と口の中。その奥は「どうなっているんだろう?」と思うほどの口臭がありました。
お部屋に案内された時も、臭いはありましたが「排泄物の臭いもあるのかもしれないな」と思っていました。
Aさんが旅立たれたのは、契約を交わした翌朝のことでした。
夜勤明けのスタッフさんが「また明日」と声をかけると「うん」とお返事をされたそうです。
とても穏やかな最期だったそうです。

エンゼルケアに伺った私は、オムツの中にただれがないこと、褥瘡がないきれいなお肌をしていることに感激しました。
お口の中は、もうスポンジを嚙むこともないので隅々まできれいにしました。
歯の欠損や歯茎の腫れはありましたが、出血や潰瘍はありませんでした。
食べかすと乾いた痰が無くなると、あの「部屋に漂っていた臭い」がきれいに無くなりました。
呼吸とともに吐き出される口臭。
それがあのにおいの原因だったのだと知りました。
私が考える悪臭の原因は…。
1位 タバコ臭 2位 痰や出血のある口臭 3位 褥瘡や膿が出ている傷の臭い
4位排泄物の臭い 5位 カビと埃の臭い …です。