ごきげんよう!きいです。
皆さんはTVドラマや映画のシーンなどで、酸素投与を受けている患者さんの姿は見たことがあると思います。
病院では「中央配管」という、酸素投与や吸引ができるシステムが病室の壁の中に埋め込まれています。
そのコネクターに必要な部品を取り付けることで高濃度の酸素の投与ができ、呼吸が苦しい人や血液の酸素化が不良な方の助けとなります。
その様な、酸素を投与する機械が在宅用にもあるのです。
在宅酸素療法(HOT)と呼ばれる治療法で、医師の指示により酸素供給機器を使用し、酸素量を調節しながら「マスク」や「カニューレ(カヌラ)」と呼ばれるものを装着して酸素を吸入します。
それがですね…。
酸素が適切に吸入できれば、日常生活が楽に暮らせる方はたくさんいらっしゃいます。
ですが。使い方が上手くないばかりに「度々呼吸が苦しくなって救急搬送されてしまうため、訪問看護が開始になる」という方が、それなりにいらっしゃるのです。
なぜ救急搬送に?
酸素の量は大抵は医師が「安静時は〇リットル。労作時は△リットル」というように指示を出します。
病状によっては、苦しいからといって酸素量を増やしてしまうと逆効果になる方もいらっしゃるので、必ず医師の指示を守ることが大切です。
そこは皆さんしっかりご理解され、きちんと守って生活されている方が殆どです。
それなのに、なぜ救急搬送に?
実は、なぜか労作時(歩行・トイレ・入浴やシャワー浴・家事等の身体に負荷がかかるとき)に限って、マスクやカニューレを外してしまう方がそれなりに、いらっしゃるのです。
歩くときに邪魔だからつい。
濡れるといけないと思って。
調理で火を使う時は、引火をしないように外すようにしている。
認知症があり、酸素が必要な事を忘れてしまい「なにこれ?」と外してしまう。
このうち「濡れるといけないと思ってお風呂に入るときには外していました」という方。
結構多いんです。
酸素マスクもカヌラも、実は濡れても大丈夫なんです!ビニール製ですから!
周りが濡れれば拭き取れば良いし、中に水が入ったらはたいて乾かせばいいんです。
説明があれば。
酸素の業者さんがHOTの機械や酸素ボンベを届けに来てくれる時。
セッティングをして、本人と家族へ使い方を指導してくれるのですが…。
その時に「濡れても大丈夫だから、着けたまま入浴やシャワーをして下さい」と伝えて頂ければ、救急搬送になることも無く、訪問看護が導入になるのももっと先送りできたかもしれません。
濡れても大丈夫だとお伝えすると「えー?知らなかった。初めて聞いた!」という返事が返ってくることも多いのです。
今までには「酸素のチューブがあると、浴室のドアが閉められないから」という方もいらっしゃいましたが…。
そこは我慢して頂くほかはないかもしれません。
隙間風が入ることは嫌かもしれませんが、救急搬送されるよりは良いのではないかと思います。
「動くときには酸素量を上げなさい」と、先生が指示を出すという事は、「動くとしんどい身体だから無理はしないように。」と言われているのと同じです。
無理は禁物ですよ。