ごきげんよう。きいです。
あるところで、10年近く前の雑誌を手に取る機会がありました。
それは男性向けの雑誌だったのですが、なぜ私が目を引かれ、手に取ったか?
表紙に〝みんな悩んでいる「老いた親」の捨て方〟という文字を見つけたから。
どういうこと?と思ってページをめくると…。
ビックリです。
定年後に親の介護と向き合い始めたとき、「親を捨てる」という決断を早急にしないと、大変なことになるよ、という内容の記事でした。
「大変な事」とは何かって?
・認知症の親の介護を6年間妻任せにした結果、「施設に入れないと離婚」と言われ、離婚を選択。親を一人で介護をしたが、あまりの大変さに挫折。結局親は施設入所となり、親と妻を失うことになった。
・親との同居のために改築をして1000万円がかかった(親の貯金と補助金を足しても700万円かかった)。退職後夫婦で旅行に行く約束をしていたが、それが叶わずお金も失ない、妻との関係も悪化した。
・認知症の親を在宅で介護するために早期退職をした。生活費と介護費用で経済的に苦しく、介護とアルバイトの毎日。自分の人生を犠牲にし、趣味を楽しむ余裕も無い。
そんなケースが紹介されていました。
そんなことは無い…とは言い切れません。
だから介護が破綻しないように、施設入所についての正しい情報を集める必要があるんですってば!
だけど…。それにしてもタイトルがスゴイ。
センセーショナルですよね。
親を施設に入所させることを「親を捨てる」と表現するのはいかがなものかしら。
結論は「親の介護のために大切な物を失わないように、施設入所を前向きに検討しよう。」という内容なんだけど。
それならそうと、言えばいいのに。
本当に、このタイトルにはビックリしました。
昔々の日本には「姥捨て山」のように、高齢になった親を山に捨てたとかいう話や高齢者が自ら山へ入ったという話があったとは聞いたことがあります。
そんな時代のことがあるから、親を自分で看れない事を「捨てる」と表現したのかな。
親を施設に預けたという人の証言で「施設にゆだねたということは、自己犠牲的に親の面倒をみられないと言う事。ああ、自分はなんて徳の無い人間なんだろうと思いました。(中略)結果的に、私は母を捨てました。その無念の思いは、いまだに消えません」。…そんな言葉も書かれていました。
定年が近いか、それ以上の年代の男性向けの雑誌だから、そんなふうに書くのかしら。
その年代の男性はそういう考え方の人が多いのかしら。
介護施設への偏見?現実を知らない?親が言う「施設に入れというのは親を捨てるのと同じ」という言葉を鵜呑みにしている?
どうか、どうか。
正しい知識を身に付けて欲しいと思いました。
今の介護サービスは、昔とは全然違うんです。
雑誌は確かに古いものだけれど、今もそんなふうに思っている人がまだいるのかな。
親ときちんと向き合っていないから?
親を看れていないから?
介護を妻任せにするとか、自分の親を看るというプライドにこだわるとか、親の言葉を鵜呑みにするとか。
そんなことは、してはいけないのです。
雑誌でも、TVでも。
もっと介護を明るく真面目に取り上げて、正しい情報を前向きに伝えて欲しい。
そう、「明るく、正しく、前向きに」。
YouTubeでは頑張っている人たちがいるけれど。
もっと、必要な人に情報が届くように!
ぜひ頑張って欲しいなぁ。