ごきげんよう。きいです。
前回、まりぃさんが認知症になっても楽譜を読んで、ピアノを弾いているという話をお伝えしました。
昔に身に付けたこと。長きにわたって継続してきたこと。
それは認知症になっても、かなりその方のパーソナリティーに影響を与えるようです。
実は、利用者様の中に、昔大変勉強をしてバリバリ働いたこと、そしてそれに関するゆるぎないプライドをずっと忘れず、持ち続ける方がいらっしゃいます。認知症になっても。
その方は定年まで看護師として勤務をされていました。
私達の大先輩です。
お年はもうすぐ90歳。その当時に、女性で大学(しかも国立!)で看護を学ぶということはかなり大変な事だったのではないかと思われます。
そして仕事を続け、家庭を持ち、子供も立派に成人させています。
そして今…。
私たちに、とても厳しい(笑)
この利用者様。訪問に伺った看護師には必ず出身校を聞きます。
あるスタッフが、正直に自分の出身校を返答したところ…。
「まあ。そんなレベルの低い学校しか出ていないなんて。本当に大丈夫なの?しっかりやってちょうだいよ!」と仰られ…。
スタッフは撃沈。
まあねえ。認知症というお病気の方がおっしゃっている事ですから。
気にしない、気にしない。
しかしですよ。現在も県で最も偏差値の高い大学を卒業されている方に、対抗するにはどうすれば良いのか…?
と言う事で。
私、言ってみたんです。
「私も〇〇さんと同じ、看護師の国家資格を持っています。〇〇さんの後輩です。」
するとね。何もおっしゃらなかったんです。
ただ、機嫌が良かっただけかも知れないけれど。
今もこの方、機嫌のよい時にはケアに協力して下さいます。発言は上から目線だけど(笑)。
機嫌が悪い時には、大声であんなことやこんなこと(いわゆる暴言ですね)をおっしゃいます(笑)。
そんな〇〇さん。主治医の訪問診療時には、おとなしくなってしまうのがおかしくて。
確信犯???と思わせてしまうのです。
体調はおおむね安定していて、機嫌のよい時は「あら、アリガト」なんて言っちゃう。
これは薬でどうこうという問題でもなさそう。
そしてお付き合いが続くと、不機嫌の原因もなんとなく分かって来ました。
排便コントロールと、ご家族の接し方にポイントがあるようです。
そこを何とかするのが看護師の腕の見せ所。
元看護師と現看護師の、プライドとプライドの静かなぶつかり合いが…そこには…あるんか?