兄の相続 ~其の三~

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

兄のことを相談するために、司法書士のY先生の元へ。

兄と私の状況を包み隠さず相談した結果、先生が勧めて下さったのは「遺言書の作成」。

今まで聞いたことはあるけれど、見たことも、もちろん作ったことも無い「遺言書」というもの。私と兄にとって初めての経験が始まります。

後見人

 私にとって、とても大きな問題だった「相続をどうするか」ということ。

 もし今、兄がこのまま亡くなったら、法定相続人は私ではなくまりぃさん。

 認知症のため自分の管理もできないまりぃさんに、兄の残すものの相続をさせるのはお気の毒だと私達兄妹は思います。

 いや、ハッキリ言えば「無理」でしょう。

 もし、認知症のまりぃさんが相続人になることになったら、「後見人」を付ける必要が出てきます。

 まりぃさんが生きている間、ずっと財産管理だけでなく生きていくためのお金の管理、医療や介護を受けるための支援を続けることになる後見人さん…。

 とてもありがたい存在であり、制度でもあるのですけれど…。

 もし司法書士・社会福祉士・弁護士さんなどプロにお願いするとなると、決してお安い金額ではありません。

 まりぃさんに相続を負わせる。それを避けるためには、兄が無くなる前に、遺言書を作っておくことが大切なのだそうです。

では、どうやって?

 兄は只今入院中の身。まだ司法書士のY先生とは会えていないのです。

病院の面会にも制限があり「あらかじめ登録した血縁者5名まで」となっています。

 もちろん怪しい人ではなく、面会の目的も本人の権利に関わる事なので、主治医のM先生に確認をしたところ、面会はOKと言っていただけました。 

 だけど司法書士のY先生は、できれば末期がんの兄の元へ足を運ぶのは避けた方が良いと判断されました。万が一自分が新型コロナウィルスを病棟へ持ち込むことになってはいけないという配慮からです。

結論から申し上げます。

兄が入院中の今は、Y先生から頂いた遺言書のひな型を見本に、自筆証書遺言を書き残しておく。

そして退院ができ、体調が回復したら改めて公正証書遺言を作成する。

ということになりました。

ただ、自筆証書遺言の場合は相続が発生したら(兄が亡くなったら)家庭裁判所での検認手続きが必要なのだそう。

確かに兄が書いたものなのか、法的に有効なものになっているかなどが確認されることになるのでしょう。

時間とお金もかかるので、できれば、公正証書遺言の作成が望ましいとのことでした。

そのためには、兄には体調の回復に努めてもらい、退院してからY先生の事務所と公証役場へ足を運ばないといけないのですが…。

相続って、本人にとっても家族にとっても、大変な事なのですね。

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