水面下の動き

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 前回の<最近の在宅介護は>では、在宅療養をされている利用者様の重症化についてお伝えしました。
 今後の在宅介護は、人がいなくなるのはどう見ても明らかで、今後どうなっちゃうんだろう…と考えつつ終話しました。

 今回はさらに、私達の水面下の労働が増えている事についてお伝えさせて下さい。

現実は…

 私達訪問看護師は、訪問中に行うケアだけが仕事ではありません。
(もう皆さん、重々承知さていると思いますが…)。
 
 利用者様の体調が安定していたり、下降していても「アクシデントやトラブルがなく自然な経過を追っている」。

 利用者様本人もご家族も、穏やかで協力的。療養環境に問題はなく、金銭的にも問題がない。支援する事業所のチームワークバッチリ!

 そんな時には、利用者様のケアだけではなく、看護にまつわるすべてがとてもスムーズにことが運びます。

 私達も、思い悩んだり利用者様の問題解決のためにあちこちへ連絡をとったり、調整したりしなくて済みます。時間を奪われることも無く、ストレスもありません。

 素晴らしい!

 そんな方の訪問は、私達も身構えることなく自然に振舞うことができます。
その利用者様との時間が、私達の癒しになることもあります。

 その利用者様やご家族が「困った!」という時には、「あなたのために、ひと肌脱ぎます!」と、心から助けたくなります。

 だけど残念なことに、現実はそんな方ばかりという訳にはいきません。

 今までにもお伝えしてきたように、エアコンが付いていなくて熱中症の危険といつも隣り合わせの方や、訪問看護の料金を滞納しがちな方。
 ハラスメントのリスクがとても高い方。ご家族が全く協力して下さらないご家庭…。

 このようなケースも、重症化同様、どんどん増えて来ているように感じています。

 そうなると、訪問中のケアとは違うところで私達は、利用者様のために時間を割いてあちこちに連絡や相談をして。

 アクションを起こしては思いが叶わず、無駄足に終わってガッカリして、時には怒ったりして(苦笑)!

 そしてそれを共有して、カルテに記録として残さないといけない…(涙)。

どれだけ水面下で動いても


 もちろん、どれだけ水面下で動いても。
 私達は「あなた方のために、こんなにしているのに!」とは、口が裂けても言う事ができません。

 そして、その水面下の動きに対しては、どこからも報酬は得られません。
 私達は、利用者様の問い合わせ、相談、クレーム対応、問題解決のための内々の会議への出席などに対してどれだけ時間を割いても、介護保険からも健康保険からも報酬が得られないのです。

 それでもただ粛々と、問題解決に挑み続けるしかないのです。

 ただでさえ人材不足が加速して行くのに、水面下の活動が増えてしまうと…。
困っちゃうんです…(涙)。
 
 いつか…近い将来。私の身体に設置した「ストレスセンサー」が、勤務中に一定の数値を超える度に、チャリンチャリンと報酬が得られるシステムができないかしら?(笑)

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