ごきげんよう。きいです。
今日訪問が終わって、入力作業をしていた時。スタッフと「最近の在宅ってさ…」とすこし話をしました。
話したかったのは「最近の在宅療養は、医療ケアが多くて手厚い支援が必要な方が多くなった」ということなんです。
24時間人工呼吸器を装着。
夜間も吸引が必要で、24時間ヘルパーが介入。
ケア量が多くて一人のスタッフでは提供時間が足りないため、複数名加算が必要(通常一人の訪問の所、二人でケアを行う必要がある)。
ベッドの角度や姿勢により血圧が乱高下する方。
中心静脈栄養管理が必要。
などなど。
過去には「無理」と言われた人々が
私が訪問看護の世界に飛び込んだ頃は、まだこれらの方は少数派でした。
以前は「在宅は無理」と言われて入院もしくは医療施設に入所していたレベルの皆様です。
それが、最近では在宅へ移行してきます。
もちろん、本人の意向・介護者の事情などで、在宅へ移行できない方もいらっしゃると思うので、全体の中の一部なのでしょう。
それでも、すごい勢いで増えて来ている実感があります。

そんな在宅を支える訪問診療・訪問看護・介護ヘルパー・ケアマネジャー…。
2025年問題も控える中、在宅療養者の重症化は負担が大きすぎるような気がします。
例えば、ヘルパーへの吸引指導。
医療職ではないヘルパーが吸引を実施するためには、研修機関での受講と利用者様への実地研修が必要です。
訪問看護師は実地研修の指導者になります。ヘルパーひとり一人が既定の合格基準を満たすまで、研修指導を行う必要があります。
ある一人の利用者様へ24時間ヘルパーが入るために、人員確保のために複数の事業所が必要になることも当然のように発生します。
その事業所それぞれと研修に関する事務手続きを行い、カンファレンスを行い研修計画書を作成し、スケジュール調整をし、研修を実施、評価表の記入や研修機関への報告などなどを行う必要があります。
24時間の支援のために、一つの事業所だけでも5~6人が実地研修を受けることもあります。
研修を受けたヘルパーが退職した場合、新たにチームに加わるヘルパーも同じ研修が行われます。
そこをクリアしないと、どんなに必要であっても、吸引ができないのです。
これが一人の利用者様の「吸引」というケアだけのために行われる行程です。
他にも研修と実地指導が必要な経管栄養の方であれば、同じ行程が必要です。
その他にも、この一人の利用者様の入浴・排泄のケア・褥瘡予防のケア・コミュニケーション支援・離床時間の確保なども考えると、どれだけの介助量が必要なのか…。
皆さん、想像できますか?

入院が必要だったレベルの方が、在宅へ。
それを支えるマンパワーは、これから確実に減っていきます。
訪問看護ステーションの中でも、緊急対応をとっていないところには依頼を掛けられない人々。
訪問看護ステーションの在り方も変革が求められ、来年度の診療報酬改定にそのあたりが反映していくことになるのでしょうね。
求められても、人がいない。
これからの在宅介護。どうなっていくんだろう?