立ち上がった兄

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 ベッドサイドのソファーへ座ると、制止を振り切って立ち上がった兄。

 トイレから戻れなくなって私に引きずられたときの兄よりも、何倍も大きく感じられました。

なぜ兄は、ソファーに座りたかったのか?それがわかりました。

ソファーが…。

 立ち上がった兄を必死に支えながら、「どうしたの?危ないから座って!」とベッドへ戻る様に促しても「なんでダメなんだよ!」と戻ろうとしません。

 男性看護師さんとM先生が来て下さって、立ち上がった兄に歩み寄り、私に代わって支えて下さいました。

 そしてその直後…。兄が下血をしました。

兄は腸内で出血を起こし、それを排出するために便意を感じていたのです。

そして部屋に設置された一人掛けのソファーが、ポータブルトイレに見えていたのです。

男性看護師さんに身体をきれいにしていただき、ベッドに横たわる兄…。

今までリハビリパンツを履いてもらうのにも、かなり苦労したのに。

今はテープ式オムツを当てられています。

兄が眠り始めたことを確認し、私と息子は帰宅することにしました。

看護師さんも今日は帰ってゆっくり休んだ方がいいと勧めて下さいました。

何かあったら連絡を頂くようにお願いをして病院を出ました。

時間は21時になっていました。

とても長い一日でした。

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