「余命数日」

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 兄が入院した緩和病棟で、M先生に言われた「余命は数日です」という言葉。

今まではずっと「わかりません」と言われ続けて来たのに。

本当にがんって…。

兄の様子

 先生との話が終わり、私は兄の部屋へ戻りました。 

 兄は目を覚ましていましたが、やはり目の焦点があっていない感じ。

 息子が兄を見ていてくれましたが、目を覚ましてからはずっと足を曲げたり伸ばしたり、横を向いたりとやはり身の置き所が無い様子が続いていました。

 兄に「入院したんだよ。分かる?」と聞くと、返事はありませんでしたが「喉が渇いた」と言いました。

 入院の荷物をまとめる時にバックに放り込んだアクエリアスのペットボトル。

 看護師さんからOKを頂き、少しずつ飲めるか試そうと思ったところ、思いの外ごくごくと飲んだので、むせが心配になりました。

 何口か飲んだあと、兄が急に起き上がり、ベッドサイドの1人用ソファーに座ると言い出しました。

 どうしても座ると言います。

 私は止めましたが、兄は聞きません。

 私の制止を聞かず、立ち上がろうとします。

 私はナースコールを押しました。

 看護師さんが駆け付けてくれた時、兄は私の制止を振り切って立ち上がっていました。

必死で支える私は、兄を見上げて「こんなに大きな人だったんだ」と感じていました。

タイトルとURLをコピーしました