えい君の退院 ~其の二~

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 えい君の介護保険の申請が終了し、退院に向けて一歩前進です。

退院後、在宅療養を始めるにあたって必要な訪問看護ステーション、ケアマネジャーへは話を通しています。あとは訪問診療医への依頼と緩和医療科の受診です。

自分が勤める訪問看護ステーション?

 兄の在宅療養を始める際に、体調管理・緊急時対応・医療連携・内服管理支援・生活上のアドバイス等を担う〝訪問看護〟を、どこのステーションに依頼をするか?となるわけですけれども…。

 私は〝自分が勤務する訪問看護ステーション〟へ、すでに話を通していました。

 「やりにくくないか?」と思われるかもしれませんが、私の場合は「その方が介護をしやすい」と思ったからです。早い話が「兄の状態を、職場のみんなが知ってくれる」ということは、「私がどのような状況にあるか」も知ってもらえるということ。

 私が抱える仕事量のコントロールもしやすくなると思いました。

 事実、幾つかのリーダー業務を「世代交代」とかなんとか言いながら、妹世代へ引継ぎさせてもらうこともできました。

 兄のキーパーソンは私です。

 兄に万が一のことがあった時には、病院に駆け付けたり、電話連絡をしたり、お休みだって頂かないといけない。いつかその時が来たら、まとまった休みも必要になります。

それをいちいち報告・相談するよりも、リアルタイムで進めることができると思いました。

 所長には兄の病気が発覚した時から報告をしていたので、いよいよ緩和へ移行するとなった時には「訪問看護、どうする?」と質問される状況でした。

「ぜひお願いします」と答えると「担当は違う人を立てた方がいいよね」と、話はサクサクと進みました。

退院調整看護師Tさんのお仕事

 兄のように、がん治療を卒業し緩和医療へ移行となる場合に、在宅療養の準備を整えるのがTさんのお仕事。

 「介護保険ってどうすれば申請できますか?ケアマネジャーさんってどこにいますか?訪問看護って何をしてくれるのですか?それって必要なんですか?」という状況の方へ、一つ一つ説明しスムーズな在宅療養をスタートできるよう支援します。

 私は何度も「新規の依頼をお願いします」というTさんからの電話を、ステーションで受けていました。

なので、会議室で初めてお顔を拝見した時は「まあ、あなたがTさん!」「あなたがきいさん!」という状況。

ケアマネジャーはのんさん、訪問看護は自分の勤めるステーションにすでに話が通っていることを伝えると「話が早くて助かります。私からも依頼の連絡を念のため入れておきますね。必要な情報も送らせて頂いていいですか?」と。

「是非」とお願いしました。

しかし、訪問診療医はそうはいきません。

いや、もしかしたらそういう話の進め方もできたかもしれません。自分の勤めるステーションが訪問診療のクリニックと併設だったら。

また家族がお世話になっている医師がいたら、直接お願いしていたかもしれません。

しかし訪問診療の医師については、私の場合、あくまでも利用者様への連携でお世話になっているだけ。

まりぃさんの主治医は認知症の専門医。訪問診療もしていません。

 そのため、利用者様への連携で、最も親身になって利用者様のことを考えてくれると思うY先生へ、兄のことをお願いしたかったのですが…。

何せY先生は、以前<素敵な先生とはどこで出会えるのでしょうか?前編後編>でご紹介したように、あちこちから声がかかる大人気の先生です。

 利用者様の報告や指示受けのために電話をさせて頂いても、忙しそうだったりお疲れの様子が声から感じられたり、『先生、今、寝ぼけていますね?』と思う時があったり…。

(もちろん、普段はキレッキレですよ!)

 とにかくお忙しいのです。

 今回はそれを承知の上での依頼です。気軽にお願いできることではないと思いました。

そのため、ここは〝Tさんからの依頼〟という〝正規のルート〟でお願いをしました。

「Y先生、いつもお忙しいから…。(訪問スケジュールに)空きがあると良いんですけど…」

と言うと「空きがなくても、ねじ込みます!」という頼もしいお言葉。

きっとTさんにしかできないテクニックか何か、「ねじ込む方法」を持っているのだと思いました。

 そして数日後「訪問診療はY先生が受けて下さいました」という連絡を受けました。

ありがとうございます、Tさん!

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