ごきげんよう。きいです。
認知症による徘徊が原因で、家族が行方不明になってしまった…。
コレ、私も経験がありますが…。
まりぃさんが家からいなくなった日のこと。
今思い出しても、ゾッとします。
それくらい危険で怖いことなのです。
「特異行方不明者」と「一般行方不明者」
いろいろ見てみると、行方不明者にも定義があるのですね。
警察に行方不明者届を提出すると、「特異行方不明者」と「一般行方不明者」に分けられるのだそうです。
行方不明者が認知症で自宅に帰っていないケースは「特異行方不明者」に当てはまります。
特異行方不明者とは
警察の行方不明者の捜索は、「行方不明者発見活動に関する規則」に基づいて行われます。
その中で、特異行方不明者はこのように定義されています。
・犯罪に巻き込まれ、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
・少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
・行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
・遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自らの命を危険に晒すおそれがある者
・精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
・病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
分かりやすくすると、特異行方不明者を下の3つに分けることができます。
1.行方不明者が犯罪や事故に巻き込まれた(あるいはその可能性がある)ケース
行方不明者の精神状態は問題ないのですが、犯罪や事故など外部からの影響で、命が危険な状態にある(あるいはその可能性がある)場合です。
2.行方不明者に精神障害や自らの命を危険に晒す恐れがあるケース
行方不明者自身の精神状態が不安定で、自らの命を危険に晒す恐れがあるか、他人を傷つける恐れがある場合です。
3.行方不明者が認知症で自宅に帰っていないケース
高齢者は年々増加しており、このケースは最近特に増えています。
認知症が進行すると、症状の一つである「徘徊」が起こることがあります。
認知症では周りを気にかけたり、注意することが難しくなるので、車が来ていても気がつかなかったり、電車が来ているのに線路内に入ることもあり、命の危険を伴うことがあります。
一般行方不明者とは
特異行方不明者に該当しない、事故・事件性や命の危険がないと判断される行方不明者です。
遺書の無い家出・夫婦喧嘩の末の家出・不倫相手との失踪など…。そこまでは捜索の手が回らないようです。
行方不明者の「命の危険」を警察に伝えるために、家族が必死で訴える姿…。そういえば、ドラマでも見たことがありました。
捜索方法
警察の捜索方法は、特異行方不明者と一般行方不明者で大きく異なります。
「行方不明者発見活動に関する規則」では、特異行方不明者の捜索方法は…。
「特異行方不明者については、その生命又は身体に危険が及んでいるおそれがあることから、受理署長は、捜査を含めた適切な措置を迅速かつ的確に採るとともに、特異行方不明者の発見に資する情報等を収集するため、届出人その他関係者と適時連絡を取るよう努めること。」とされており、積極的な捜索活動が行われます。
一方、一般行方不明者の捜索方法は…。
「警察庁情報管理システムへの照会を効果的に活用する」とされています。
つまり、警察が自ら外に出て行方不明者を探すことはないのだそうです。
警察でも上記のように分類されるほど、認知症者の徘徊による行方不明は「命に危険がある」と認識されるべきことなのですね。
「迷子になった」という親御様の話を、どうか聞き流さないで下さい。
独居の親が、知らないうちに徘徊をしていた。
本当に、危険で怖いことなのです。