30分でも…

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 以前。経済的に大変で、訪問看護の利用料のお支払いなどが滞っているご家族のことをお伝えしたことがありました。

 そのご家族様から「訪問看護の料金が支払えない。しばらく休みにしたい」という申し出がありました。

 さあ、どうしましょう…。

訪問看護を休むと

 この利用者様は、重度の認知症で胃ろうとバルンカテーテルが留置されている、寝たきりの方。

 経管栄養による注入はご家族ができても、バルンカテーテルの定期的な交換は医師か訪問看護師が行うしかありません。

 「やめる」ではなく「休む」というのは、それがポイントになっているのでしょう。

 ただ、体調はいつ崩れるか分かりません。

 褥瘡ができるかもしれない。

 誤嚥性肺炎を起こすかもしれない。

 尿路感染を起こすかもしれない。

 カテーテルが詰まるかもしれない。

 看護師が長い間訪問できない状況は、この方にとって危険なことです。

 経済的負担を緩和するために、短時間でも。回数が今までより少なくなっても。

 危険を回避できるだけの回数は訪問させて頂きたいのですが…。

時間を短く

 介護保険での訪問看護は、ルールで時間が決められています。

 1回の滞在時間が、30分未満、60分未満、90分未満とあり、それぞれの利用者様の要介護度や身体状況、必要なケアに応じて、ケアマネジャーがプランを立てるのです。

 この利用者様の自宅は、実は遠方にあります。

 車の往復で約1時間かかる距離。

 今までは「60分未満」の訪問だったのですが、30分未満にすると…。

「時間とガソリン代をかけて訪問しても、ちょっとの収益しか得られない」という事になり、事業所に負担がかかり嫌がられるケースになります。

 それでも…。

 この利用者様とご家族様が、危険な状況になるよりは…。

 ケアマネジャーとも相談になりますが、一度検討することになります。

 ご家族様…「うん」と言って下さるだろうか…。

 これから、このようなケースが増えて来ると思います。

 それなのに、高齢者数は増加。ビジネスケアラーの増加。社会と各家庭における経済の低迷。

 訪問看護ステーションや訪問看護師の数も多くはありません。

 本当に、どうなっていくのでしょう…。

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