マットレスの話

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 昨日は介護用ベッドについての話でしたが、今日はその上に乗せるマットレスについて。

 人が身体を預けるマットレスには、いろいろあります。

・身体へのフィット感や寝心地を追求したもの。
・素材や通気性にこだわったもの。
・体圧分散を考えつくしたもの。

 介護用ベッドのマットレスにも様々なものが有ります。
その多くが体圧分散・褥瘡(床ずれ)予防効果のあるマットレスです。

 ウレタンタイプもありますが、エアーマットは内部に空気を送り込むことで、自動的に体位交換と同様の効果が得られます。
その技術はどんどん進み、いろいろなメーカーさんから、新しいハイスペックなエアーマットレスが生み出されています。

マットレスの上に…

 ところが…。
在宅介護の現場では、なぜかその効果を防いでしまうことが多く発生しているのです。

 せっかくのエアーマットレスの上に、ピン!と硬い糊付けされたシーツがホテルのベッドシーツのごとく敷かれていたり。
「皺が無い」というのは良いのですが、エアーマットレスの場合には「柔らかい素材のシーツがふんわりと敷かれている」の方が効果的なんです。

 そして。
 なぜかエアーマットレスの上には、私達の想像を軽く超えて来るものが敷かれていることがあります。

 先日は、梅雨入りしたというのに、毛布2枚が重ねて敷かれている方がいらっしゃいました。
理由を伺うと「猫が爪を立ててはいけないと思ったから。」とのこと。

 また過去には、エアーマットレスの上になぜか敷布団が。
理由は「本人のお気に入りの布団だから。」でした。

 更に。エアーマットレスの上に、他社のスポーツ選手が遠征に持参する素敵なマットレスが。
理由は「頻回にお見舞いに来る身内の方からのプレゼントだから。」

 それらの場合、私達看護師も、すぐに「NG」は出せません。出したくても出しにくい…(苦笑)

 褥瘡の兆候を早く発見するために、皮膚確認を徹底し、兆候が見られたら「外した方が良いですよ」と優しく囁くのです。

 マットレスを研究している製作側の皆様。
まさか猫や御身内の方が理由で、自慢の褥瘡予防効果が得られないケースがあるなんて…ご存じない…でしょうね。きっと。

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