ごきげんよう!きいです。
今回は私の仕事である〝訪問看護師〟は、認知症の母を介護することに役立っているかどうか?ということについてです。
看護師という職業は人を看る専門職ですが、果たして家族の在宅介護にはどんな影響を与えているのでしょうか?
知識や経験としての話ではなく、認知症家族の就労環境として考えてみます。
訪問看護師という仕事
看護師は人を看護するために人体の構造やしくみ、様々な病気とその予防・治療について、療養の在り方、自分らしく生活していくには…などを学び、それを活かして病院だけではなく、施設・企業・地域などで活躍しています。
その中でも訪問看護師は、在宅療養をされている方や住宅型施設に入居し療養されている方の元に訪問して、その方の主治医の指示のもと、看護を行うという仕事です。
看護を展開する場所は〝その方の住む場所〟にはなりますが、健康管理から、医療的処置(人工呼吸器管理・点滴や床ずれの処置・胃ろうや各種カテーテル・人工肛門の管理など)のほか、内服支援・清潔のケア・リハビリテーションから看取りまで…病院の看護師と同様のケアを行います。
それ以外にも各利用者様の在宅療養に関わる病院・訪問診療・薬局・訪問リハビリテーション、デイサービス等の通所施設、ケアマネジャー、福祉用具支援事業所、介護ヘルパー、有償ボランティア、訪問理・美容などなど…たくさんの事業所と連携をします。
認知症の母の介護に、役に立っているか?と言えば、他の職業に比べたら…
結論:はい。役に立っていると思います。
何が役に立っているの か?
では、どんな点が役に立っているのでしょうか?
1,在宅療養の現実をいつも目の当たりにしている。
2,認知症の方の生活支援、ご家族の介護支援に日常的に関わっている。
3,利用者様への支援を通して、医療施設・介護サービスの事業所との連携をしている。そのため、どこにどんな支援者がいるのかを知る機会に恵まれている。
4,利用者様の自宅から自宅へと移動するため、途中で用を足す・一時帰宅をすることも可能な場合がある。(これは事業所の方針により違いがあります)。
5,職場の仲間みんなが在宅療養の現実を目の当たりにしているので、介護に対する職場の理解と協力が得やすい。
この中でも、私が特に注目したいのは…。
5,職場の仲間みんなが在宅療養の現実を目の当たりにしているので、介護に対する職場の理解と協力が得やすい。
…これ、すごく感じます!
一概には言えませんが、訪問看護師はある程度病院勤務の経験を積んだ後に、在宅看護を志して転職してくるケースが多い傾向にあります。
そのためか、結婚・出産・子育て・親の介護など様々なライフイベントを経験していることが多く、それらにまつわる大変さを理解していることから、お互いに協力しながら業務を遂行する「お互い様精神」が病院よりもはるかに高いように感じます。
※あくまでも個人的見解ですが…。その事業所により違いはあるということはご了承下さい。
私が勤務する訪問看護ステーションの仲間たちは、小さいお子さんがいるスタッフの,子供の急な体調不良によるお休みや早退に対して寛容です。
入学式・卒業式・運動会などのイベントや、受験生を抱えたスタッフの進学説明会や先生との面談、部活の最終試合の応援、受験当日の万が一の事態の備えたお休みに対しても寛容です。
そして私のように親を介護しながら仕事を続けるスタッフの様々な申請のための外出や、親の安否確認のための一時帰宅などに対しても寛容です。
お互いに助け合う〝お互い様〟が、他の訪問看護ステーションよりもしっかりと根付いているように感じており、本当に恵まれた環境にいると思っています。
少ない人数で決まった利用者様の訪問をこなしていくために、安全にクオリティーの高い看護を提供するためには協力が欠かせないのがみんなわかっているのです。
※個人的見解:〝訪問看護師〟は親の介護に役立っているのか?~後編~へつづく