ごきげんよう。きいです。
最近話題に上がることが多い「経済的に困窮している利用者様の話」。
その件数が増えている実感が、仕事を通してひしひしと伝わってきます。
ある利用者様(A様)は電気やガスが止められるほどの経済状態で、夫婦そろって認知機能が低下しています。
ご本人は食欲が低下し、体重が減っています。奥様もパジャマで布団に横になったままの日もあるようです。内服もきちんとできず、何の刺激も無い時間が流れています。
同居の息子様がいらっしゃるのですが、仕事のために不在がち。その方の家の中に、息子様の気配は全く感じられません。
そんな利用者様について、事務所の中でスタッフ同士が話している声が耳に飛び込んで来ました。
「A様の息子さん。働いたお金は自分の生活費や外食に使っちゃうんですって…。」
『ちょっと待てよ!』と心の中で、キムタク的に(心の中で)反応する私。
まあね。
ご両親の困窮する生活状況を目の当たりにしているのですから、そう思っちゃうことは理解できます。
だけどね。
子供が自分で得たものを、両親のために負担するのが「当たり前」のように語ってはいけないと思うんですよね。私は。
(もちろん、ものすごい高収入なお子さんだったら、話は別ですけど…。)
「息子さんにも生活があるんだからねぇ。介護にかかるお金は親自身で何とかできないかを考えてあげないとねぇ…。」と、遠い目をしてスタッフへ聞こえるようにつぶやいたのでした。
中には、お金の使い方が間違っているような方もいらっしゃいます。
だけどそうでなければ…。
先ずは息子様と「今後をどうしていくお考えなのか?」をきちんと話し合わないと。
もし息子様に、介護についての知識と両親の今後について考える力が無いのであれば。
生活保護をお考えになる気持ちがあるのか、ないのか?
息子様と同居しているから…息子様の仕事に車が必要だから…とか何とかで、生活保護の受給申請ができないのであれば。
その対策をケアマネさんと相談して。
ケアマネさんが大変そうならば、地域包括支援センターの力を借りて。
そして夫婦でグループホームへ入所できれば…。
両親の生活と介護を息子さん一人に背負わせるのは、あまりにも酷というもの。
本当はもっと早い段階で、自分たちの生活が成り立つように頑張るべきだったご夫婦だとは思うけれど。
そうはいかない事情があったのかもしれません…。
それならば私達に何ができるのかを考えて、支援させて頂くのがプロというもの。
そして、せめて私たち看護師は「親の介護は、子どもが負担するのが当たり前」と思わないでいよう。