ごきげんよう!きいです。
前回<介護は〝女性がやるもの〟と決めつけないで!>という内容で、実際に介護で行われていることと、その大変さを書かせていただきました。男性にもこれからの介護について真剣に考えて頂きたかったからです。
しかし「男性は介護のことをちっとも考えていない」とは思っていません。
私自身は男性が介護で活躍されている場面、家族を必死で介護されている場面を沢山見てきており、悪戦苦闘している姿に頭が下がる思いを感じています。
そう。どっちがやるべき、という考えではなく男性・女性がお互いに協力し合ったり、得意なことを活かしていければステキだなと思うのです。また〝大切な人をお任せしてみる〟という勇気も持って欲しいと思うのです。
男性が家族を介護すること
私、男性が家族を介護するって、すごいことだと思っています。
そもそも男性が誰の介護をしているのか?それは親や配偶者である妻のケースが殆どなのではないでしょうか。
女性が介護をしても、体力的に・時間的に・精神的に大変なことはもちろんですが、男性にとっても家事全般・食事の世話や入浴・排泄の世話などは〝得意ではない分野だけど、必要に迫られてやるしかなかった…〟〝自分しかやる人がいなかった〟などの状況があり〝孤軍奮闘〟の様相が強いように感じるのです。
介護を頑張っている男性は、皆さん家族思いで愛情に厚く、真面目で責任感が強い方が多い。
そして、孤軍奮闘を積み重ねながら、自分がベストだと思ったケア方法をあみ出し、真面目に遂行されている方が多いように思うのです。
そうなってくると、次に起きてくるのは〝人に任せられない〟という問題です。
もともと愛情にあふれ、真面目で責任感が強いとなると、親御さんのため・妻のために、時には失敗もしながら(失敗しない方もいらっしゃったかも知れませんが…)必死で頑張ってきたことが想像できます。それも、身近に相談できる人がいなかったり、手ほどきを受ける人がいなかった場合には特に…。
その努力の積み重ねが、「自分の頑張りがあったから、家族が今もいられるのだ」という自負や、「自分が続けて来たスタイルを、後から介入してくる他人に乱されたくない」という思いがあってもおかしくはありません。
自分が費やしてきた介護への労力・時間・お金、そしてその思い出はあなたとご家族の大切なものです。大変だっただけではなく、充実した時間もあったはずです。
「自分と親・妻とで築いてきた、大切なものをうかつに壊して欲しくない」
当然です。
…ですが、介護って本当にゴールが見えず長丁場になることがあります。
介護が続く→時間が経過していく→親・妻だけでなく、自分も年老いていく…介護の日々の中で、様々な介護サービスの利用を勧める人がいると思いますが、その人はそれを心配しているのです。
一緒に考えていきましょう
そして、大切なものをどうこうしようというのではなく、尊重しながら「あなたとご家族にとって、今後のより安全で安楽な方法を一緒に考えていきましょう」というのがその人の考えだと思います。
孤軍奮闘は長く続けるべきではないと、私は個人的に思います。これは、男性・女性問わず言えることです。
自分が病気になったり、万が一介護ができなくなったら、親や妻はどうなるのか?そんな不安を感じたら、気持ちと状況に余裕があるうちに、介護サービスの利用について考えても良いのではないでしょうか?
特に地域包括支援センターの人や、ケアマネジャーは介護の専門家です。
自分がどんな思いで介護をして来たのか。今後も何を大切にしたいのか。ここだけは譲れない点がある。ここは協力者がいると助かる…という事を率直に話してみると、良いアドバイスがもらえるかも知れません。
たくさんの介護サービス事業所の中から、あなたの思いを尊重してもらえそうなところを紹介してくれる可能性もあるのです。
そうして少しずつ・小さなことからでも〝大切な人・大切なことをお任せしてみる〟を繰り返してみたら…。
ずっと抱えていた心配事や不安が軽くなる事を願うばかりです。