まりぃさんと真夜中の非常ベル~後編~

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 今回はまりぃさんと真夜中の非常ベル~前編~のつづき。まりぃさんが、夜な夜な気になるボタン類をいじってしまう事と、その結果が衝撃的である事のご紹介です。今回は非常ボタンを押してしまった話です。本当に寿命が縮まる思いをしました。もう懲り懲りです。

非常ボタンは押しちゃダメだってば!

 今まで一番私がパニックになったのは、マンションのインターホンについている非常ボタンをまりぃさんが押しちゃったこと。

 これも深夜3:30頃の出来事でした。

 私が眠っていると、何やら遠くでビービーと聞きなれない音がする…。何かの間違いかと思いながら寝返りを打ったのですが、やっぱりどこかでビービー聞こえる。ビービー・ビービー?おまけに火事です、火事ですって言っているような…。

 「???!(パニックに陥る私…)」

 何事かと飛び起きると、リビングのインターホンに向かって何かしているまりぃさんがいる。

 「なにやってるのよ!」とまりぃさんの手元を見ると、そこには丸い「非常」と書かれたボタンが…。

 「やーめーてー!

 夜中に飛び起きた私は、頭もボーっとしているし、目もしょぼしょぼ。

 眼鏡もかけていないし、どうすれば、この警報音を止められるのかが全くわかりませんでした。

 とりあえず電気をつけて、何か方法はないかと私の脳が考え始めるのに時間がどれ位かかったのか、それは一瞬だったのか…。それも全くわかりません。

 とにかく今起きている、私の「非常」事態に立ち向かわなくては!

 まず最初に起こした行動は〝眼鏡を装着〟。

すると、今まで見えなかったいろいろな情報が飛び込んできた。

 「非常」ボタンの下に「警報音停止」というボタンがある!

 とりあえずそれを押してみる。ポチっとな。

 一瞬止まりはしたものの、また鳴り出す。ああ、このボタンは押している間だけ音が止まるのね。

 そして停止ボタンを押しながら、良く見ると「非常」ボタンの横に、すーっごくちっちゃな字で、しかもグレーの文字で「警報音の止め方」が書かれているのに、その時初めて気が付いた…。

 もっとハッキリクッキリ大きな文字で書いてください。こういう大切な情報は!!!

 そこには「非常」ボタンが付いている部分のプレートを外し、ボタンのカバーを裏側から押し戻せと書いてありました。

 書かれたままに行動すると…。やっと訪れた静寂…。

 心の底からほっとしました。

 どれだけの時間、警報音が鳴っていたのか。

 警報音は我が家だけに聞こえていたのか、同じフロアだけなのか、それともマンション全戸に鳴り響いたのか…?何人の住人さんの耳に入ったのか、その眠りの妨げになったのか?

 それは全くわかりませんでした。

 消防車が来ることもなく、後日マンションのエントランスに「〇月〇日の深夜、非常ボタンを押した、はた迷惑な住民は名乗り出て下さい!」と張り紙がされることも無かった。

 良かった…とはとても言えません。まさに寿命が縮む思いをしました。

本当にごめんなさい!

 深夜3:30頃という時間。現場にいる私が遠くに聞こえると思った音量。どうか住人皆さんの眠りの妨げにならなかったことを祈るばかりです。

 まりぃさんはあの時言っていました。

 「だって、強く押すって書いてあるのよ」

 …確かに書いてありますね。でもそれは非常ボタンなんだから!

 その日からインターホンの「非常」ボタンは隠してしまったのでした。

 ただの厚紙を貼っただけですが、それでもまりぃさんの目に触れなくなったためか、二度と押されることはありませんでした。

 ちなみに、玄関ドアの〝ドアスコープ〟。これもまりぃさんが気になるポイントです。玄関に吸い寄せられて行くのを避けるため、ここも隠しちゃっています!

とにかく「夜で判断力がいつもより落ちている状況」と「ボタンの誘惑」は危険です!

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