ごきげんよう!きいです。
昨日は<看護師あるある>で、文章や発言は簡潔であることを望まれること、そして医学用語の誤変換を面白がることをお伝えしました。
今回は、ちょっと趣を変えて、訪問看護あるあるをお伝えしたいと思います。
少し介護の話から脱線?いや、実は考えさせられる内容かもしれませんよ?
ちょっと困った電話を受ける
これは、病院勤務の看護師さんにはあまり縁のない話だと思います。
私が病院の病棟勤務時代に受けた電話。その殆どは院内からの内線電話でした。
「入院の受け入れをお願いします」
「至急の検査結果が出ました」
「輸血の準備ができましたから取りに来てください」
「(手術の)入室をお願いします」「お迎えをお願いします」…などなど。
時々、ご家族や患者様を支援する関連事業所からの問い合わせ電話が入る事もありましたが、その内容は筋の通ったもので…。
「なんで?」と受話器をガン見するような電話はありませんでした。
それがですね。訪問看護では「なぜ今、このタイミングで?」とか「それは違うでしょう?」という電話を受ける事があるのです。
どんな電話?
「夜中のワン切り電話」
これは私の勤めるステーションの、緊急連絡用の携帯電話に時々かかってきます。
なぜか夜中の1時から4時の間にかかってきて、私達を起こします。その履歴を確認すると「非通知設定」となっています。
その電話は、私達の間では「過去の利用者様のご家族が、寂しくなるとかけてくるのではないか?」と受け止められています。電話を止める方法もないのですが、さほど迷惑でもない。だから「あ、またかかってきた…」で終わります。
大抵はワン切りですが、稀に3回コールのことがあります。忘れた頃にかかって来ます。気が付いてから何年になるでしょうか?今も時々かかって来ます。
同じ「非通知設定」でも、違う時間帯に何回もコールがある場合は、もちろん緊急の連絡として対応します。
そして相手がわかった時には電話の非通知設定を解除して頂くようお願いしています。看護師がすぐ電話に出られなかったときに、折り返しの連絡ができないからです。
ご家族の介護をされている皆さんは、ご両親も含め「非通知設定」を解除して頂けるとありがたいです。
「ヘルパーさんが来ない」
これも時々あります。高齢の利用者様からかかることが多い電話です。
訪問診療も、訪問看護も、訪問介護(ヘルパーさんの訪問)も、すべてが同じところに本拠地があり、みんなそこからやってくると思われているのです。
訪問看護師を「かいごさん」と呼ぶ方に、時々みられるケースです。
このような電話の場合、その方には何時にどこの事業所のヘルパーさんが入る予定かを確認し、その時間をお伝えします。
それで問題が解決するのなら良いのですが、もし何らかの理由で今すぐヘルパーさんが来ないと困る事態になっている時には、ケアマネジャーさんへ連絡してヘルパーさんに臨時で向かってもらえるよう手配してもらいます。
「入院中の利用者様からの電話」
これが時々あるのです。入院中のご本人からの「来て欲しい」という電話が…。
これは、会いに来て欲しいという話ではなく、病院でケアをして欲しいという依頼です。
この場合、訪問看護師は入院中の病院で看護行為を行うことが法律上許されていない事を、説明させて頂くことになります。
「なぜ電話をかけるに至ったか?」を確認すると「ナースコールを押しても誰も来てくれないから」「看護師さんが忙しそうで頼みごとができないから」ということもありました。
ただ、なかには認知症ではなかった方が「今いるのは自宅で、なんだか困った気持ちだから電話をした」ということがあります。入院して環境が変わり、混乱しているのか、せん妄を起こしているのか、認知機能が低下しているのか…。
その場合には、地域連携室の担当者又は病棟看護師へ「本人からそのような電話がかかった」という事実を伝え、共有します。それが認知症の始まりかもしれないからです。
「???」と思う内容の電話でも〝その裏に何かが潜んでいないか?〟を見極めるのも訪問看護あるあるです。