今までで一番ダメだった

母の介護

 ごきげんよう。きいです。

 誰の何がダメだったか?

 それは、今日面会した時のまりいさんの「認知機能」が、今までで一番ダメだったんです。

娘と孫?

 まず。私のことがわからなかった。

 「誰?」と聞くので、「きいよ。娘よ、む・す・め!」と言うと…。
「娘?あんたが、あんたの?」と、今度は隣に座るのんさんと私を交互に指さして〝娘のきいと、その娘ののんさん〟と言う事になってしまった。

 それからも「元気でいるか?食事は美味しく食べているか?」等、話しかけても外の景色ばかりを見て上の空。
「私が住んでいたのは、あそこの家みたいでね。犬と猫がいたのよ。私は日本語はできないけれど、犬語と猫語ができるのよ。わんわん!にゃんにゃん!ってね!」

 うーん…。

 まあねぇ。確かにまりぃさんが育った家には私も行ったこともあるから、まりいさんの視線の先にある家が「似ている」と言われれば、そうと言えなくもないことは分かるけれど。

 犬と猫を飼っていたという話も聞いたことはあったし、古い写真を見たこともある。

 まりぃさん、間違ったことは言っていない部分と…。
明らかにおかしい「日本語はできないけれど、犬語と猫語ができるのよ。」の部分。
子供みたいに「わんわん!にゃんにゃん!」って、頭の上に手で耳まで作って。
 私とのんさんが、いろいろ話を振っても、全く耳に届かない。
頭に浮かんだことをそばにいるスタッフさんに話しかけて、一人で笑っている。

 私とのんさんが目の前に座っているのを確かに見ているはずなのに、全くお構いなし。
そこにあるのは「自分だけの世界」みたい。

ダメだこりゃあ…

 コミュニケーションが成り立っているかというと…。
成り立っていなかった。
なんだか、すごく残念だった。

 実はまりぃさん。家で一緒に住んでいた時にも、そんな波があった。
だけどその頃とは、レベルが違う。
ハッキリ言って、驚いた。

 のんさんも、どうしたものかと考えたのだろうな。
今回の面会は、普段より早めのお開きになった。

 一番残念だったのは、相談員のSさんがお休みだったこと。
最近のまりぃさんの様子を聞けなかった。

 私のことは、最後まで分からないままだったし。
なんだかため息が出ちゃうな。

 まりぃさんの「これから」は、まだまだ続きます。

私はそれを見守らないといけない。

 大体の道筋は分かっているけれど。

その分、悲しい。

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