管理をしたがる人

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 これもまた、嫌がられる人(ご家族)です。
地味に嫌がられるケースから、ブラックリストに載ることになってしまうケースまで様々。
医療者に対する訴えの多い方々なのですが…。
その訴えの方法が執拗で、クレームと解釈されたり。
圧がハンパなくてハラスメントと解釈されると…ね。

 入院している家族のことが大切で。
頑張って来た介護が、入院をきっかけに変わってしまうことが許せなくて。
今まで介護のキーパーソンだったのに、蚊帳の外に出されたみたいで。
任せることができなくて。
そんないろいろな思いがあるような気がします。

 あるところにお住まいの患者様。もう何年も寝たきりの女性です。
介護サービスを利用しながら、ご主人がずっとお一人で介護を続けられました。
それはもう、宝物を扱うように。

「妻が不安を感じないように発言には注意をして下さい」
「身体に触るとき、何かをするときには必ず優しく声掛けをして下さい」
「ケアの仕方・手順が人によってまちまちなのは、妻が不安を感じるので統一して下さい」
「妻のケアに使うお湯の温度は〇℃にして下さい」
「身体を動かすときの角度は〇度までにして下さい」
「ケアの方法・ケアに使う物品を変更する時は、根拠を説明して下さい」
「先生は〇〇という薬を処方されたが、その薬は一般的な物なのですか?他の方も使っているのですか?その方はうちの妻と同じ病気なのですか?その薬を使って、うちの妻は大丈夫なのですか?」
「先生が処方してくれた薬を飲んだが、効果が実感できないと妻が言っている。
もっと量を増やす相談を先生とした方が良いだろうか?もう少し様子を見た方が良いだろうか?様子を見ている間に妻に何かあったら、どうすれば良いのだろうか?」
「新しい下剤に変わったのだけれど、この薬は内服後何時間後に便が出ますか?ヘルパーさんが来てくれている時に便が出るようにしないと困るのですが…」
 などなど…。

はあ…(ため息)

 このご主人。奥様が入院しても、病院へ求めるものはほぼ同じ。
 何度も病棟へ電話をかけては奥様の病状を確認し、納得がいくまで話し込み、時には主治医の先生を呼び出しては治療方針について質問の嵐。そして納得できる回答が得られるまでは話が終わらなかったのだとか。

 大切な奥様のことが心配なのも、状況を知りたいのもわかるけれど。
 だけど、やはり度を過ぎた要求は困ります…。
誰かの業務をストップさせてしまうこと、大切な時間を奪ってしまうことは問題になります。

 奥様、嫌じゃないのかしら?と思っていたら…。
「主人に管理されて安心して家で過ごしていきたい」と希望されていました。
そうか…。
こういうのがお好きだったのですね?

 私だったら…ムリです(笑)。

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