救急車に何か…。

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 ごきげんよう。きいです。

 今回は、以前<嫌な夢は見ない>でお伝えした救急搬送の話の続きです。

 クリスマスの夜、私は緊急待機。

 ある利用者様が、日中から尿取りパッドに多量の出血をされていました。
時間が経過しても出血が止まらないと連絡があり、夜間の訪問となりました。

 訪問診療医の指示で救急車を要請し入院先を探すことになったのですが…。

 搬送先が決まるまで私に救急車に同乗して欲しいと、救急隊の方から言われました。

 訪問看護師が把握している利用者様の情報を救急隊に伝えながら、意識レベルに変化は無いか。苦痛ことは無いか、と確認をしながら搬送先が決まるのを待ちました。

 実は私。救急隊の方が搬送先を探すとき…。
大きな声ではっきりと「疾患名や既往歴などを本人の前で報告する」という事がとても苦手なんです。

 今回の方の「主疾患」は高血圧と脳性麻痺をはじめ幾つもの病気があります。そして直腸癌の既往があり、人工肛門を造設されています。 

 救急車に運ばれ、モニタリングをされながら横たわる利用者様。意識は清明です。

 その救急車内で「直腸癌の方です。人工肛門を造設されており、肛門は閉鎖されています」という言葉を何度も聞くことになりました。

 私は何とか気を逸らそうと利用者さんに話しかけるのに必死になりました。

 また、「脳性麻痺はいつからなんですか?」と質問がありました。

 固定した障害で何十年も経過された方(しかも高齢者)だったので、訪問看護の情報には記載がありませんでした。

 ご本人に「歩行の障がいが生じたのはいつからですか?」と質問することになったのですが、その返答が「子供が小さい頃に受けた、夫の暴力が原因」と…。

 救急隊の方も黙ってしまい、いたたまれない空気が車内に流れました。

 私も「辛いことを聞いてしまって、ごめんなさい」と謝るしかありませんでした。


 過去に兄が救急搬送されたとき。
その時も、本人の目の前で「えい君さん、57歳、男性。大腸がん、肝転移の方です」と報告していたことが今も記憶に残っています。

 良いんですよ。

 本人は疾患名を知っていますし。

 緊急だからそうなるっていうことも承知しています。

 だけど、それが分かっていても、心には堪えます。

 なんだか傷のかさぶたを剥がされるみたいで。

 もう少し本人に聞こえにくいように話してもらえないだろうか…。そう思ったのです。

 今回も利用者さんと一緒にいて、兄の救急搬送の事を思い出してしまいました。


 患者様が車内で急変した時に対応できるように。

 報告をしながら、確認事項があった時には本人や同乗者に聞けるように。

 3人の救急隊員の間の指示出しや報告が速やかにできるように。

 その様な理由で、救急車の車内はオープンな造りになっているのだろうと思います。

 だけど。私の個人的意見ですが。

 タクシーの運転席みたいに、仕切りがあって、開けたり閉めたりできたらいいのになぁと思うんです。

 病院へ個人情報を報告する時だけ。
その声が本人に聞こえない、もしくは聞こえにくくなるような何か…。

 なんなら、その時だけヘッドホンで素敵な音楽を流して頂いても…。

 なんでも良いんです。

 ただ「癌」という病名をはじめ、自分が良く思っていない、受け入れがたい状況であることを、突き付けられずにすむ方法…。

 何かないでしょうか…?

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