ごきげんよう。きいです。
昨日、まりいさんの面会に行ったときのSさんの言葉。
「まりぃさん、全然寝ていないと思います。しょっちゅう部屋から出て来ていたし、部屋から『なんやこれ?』と繰り返す声が聞こえて…」
この睡眠サイクルの乱れは、認知症の進行を表しているのでしょうか。
今に始まった事ではないのです
実はまりぃさん。家で暮らしていた時からこういうことはあったんです。
今まで遠ざかっていたことが、不思議なんです。
今に始まった事ではないのです。
まったく眠っていないのか、少しは眠っていたのかは分かりません。
私の方が一緒に起きていることができず、眠ってしまっていたからです。
それでも、まりいさんの歌や本の音読、独り言やTVの音で起こされます。
ガタガタと音をたててベッドから起きたり、椅子に座ったり、トイレに向かったり、ベビーゲートを突破しようとしたり…。
その度に「よいしょー!」という掛け声も聞こえます。
これが夜中の1時でも3時でも5時半でも…。
時間なんてお構いなしでした。
私は家事も仕事も緊急対応も介護もあって、それはそれは大変でした。
介護をしていると眠れない。眠りを妨げられる。起こされる。
時には家を出てしまったまりいさんに気が付いて、パジャマのまま外に飛び出したこともありました。
こんな生活が、良いわけはありません。
私はまりぃさんと共に暮らした数年間で、自分の寿命が縮んだと思っています。
睡眠時間が短いことは、認知症を招くとも言います。
だから今、私の代わりにまりぃさんを介護して下さるスタッフさんに、頭が上がりません。
ダブル不眠
ただでさえ高齢者は不眠になりがちです。
それなのに認知症が引き起こす症状の中にも「不眠」があるのです。
ダブル不眠なんです。
普通だったら眠らない夜の翌日は、眠くて仕方がないはずなんですが。
まりぃさんは、翌日もケロッとして活動します。
タフなのか、何なんだか。
とても迷惑ですが「じゃあ眠れるようにお薬を…」という訳にはいきません。
眠剤を飲んでふらつく中、歩き回ったら…。
待っているのはきっと転倒です。
眠らないのに寝かせられない。
寝て欲しいのに寝てくれない。
そして認知症の末期には、何日も起きつづけた後、何日も眠り続ける人もいます。
まりぃさんもそんなふうになるのかな。
本当に厄介な病気!
そしてまりぃさん。
今はすっかり、亡き夫のことも、えい君のことも忘れてしまっています。
えい君との会話…
「何、あんた。病気なん?」
「うん…。病気なんだ。」
この言葉が、本当に最後の会話になってしまいました。
なんだかなぁ。