ごきげんよう。きいです。
昨日は<埼玉県虐待禁止条例改正案>で、小学3年生以下の子供さんを自宅や車の中に保護者の見守りなくいさせてはいけないという「放置禁止」を盛り込んだ埼玉県虐待禁止条例改正案が、県議会9月定例会で議論されている…というニュースについて、私の個人的見解をお伝えしました。
昨日の記事はあくまでも「子供さん」の話でしたが…。
実は私も「保護しなくてはいけない存在を、家に放置せざるを得ない状況」を経験しているので、今回の虐待禁止条例改正は他人ごとだとは思えないのです。
ある日、どこかで、急に。
私…認知症の母を介護した経験も踏まえた上で言わせていただくと…。
アルツハイマー型認知症の高齢者のうちにも、ある程度の割合で「小学校3年生よりも保護が必要な方」がいらっしゃるのだから。
ある日、どこかで、急に「認知症の高齢者も一人で家にいさせてはいけない。家族が見守りなさい」と言われる日が来るのではないか?
…そう思ったのです。
老健にお世話になる前のまりぃさんは、週に2~3日デイサービスに通っていましたが、それ以外は家で「お留守番」をしていました。
でも実際は「ベビーゲートで外から遮られた部屋に、安全を守るという理由で出られないようにしていた」のです。
その当時のまりぃさんがどんな風だったのかは、散々書いてきた通りです。
私はビジネスケアラーで、利用者様の緊急対応があれば、夜中でも駆け付けないといけませんでした。
もし、「認知症の高齢者も一人で家にいさせてはいけない。家族がきちんと見守りなさい。そうしないと虐待です」と言わていたら…。
要介護1のまりぃさんを、高額の高齢者施設に入所させる?
私が仕事を辞める?
どちらも、全く現実的ではありません。
国の目指す方向性から完全に外れてしまいます。
目指す方向性と違う
認知症者との共存。
あふれる高齢者をできるだけ施設や入院ではなく、在宅で療養できる環境を整える。
不足する看護師の人員確保。
全てが成り立たなくなってしまいます。
要は「環境が整っていないのに、なぜ現実的ではないことをさせようとするのか?」
そこが問題なんです。
労働者人口を益々少なくさせてしまうことになりかねない。
高齢者の介護や子供さんの育児がしにくくなる。
収入減となった世帯は、貧困へ向かうのではないか?
介護保険料がかかるサービスの利用が増えたら国の負担も増えることに。
子供さんだって同じこと。
国も、ここは黙っていてはいけない場面なんじゃないのかな。