ごきげんよう。きいです。
皆さんは「がんサバイバー」という言葉を聞いたことがありますか?
サバイバー【survivor】
生存者。生き残った人々。遺族。また、逆境に負けない人。
一般的にいわれる「がんサバイバー」とは、がんを経験しながら生きている人たちのことです。
がんの治療を終えた人は、その時点で「がん患者」を卒業し、「がんサバイバー」になるのだそうです。
再発の可能性もゼロではありません。当事者にしかわからない悩みや不安もたくさんあるでしょう。
それを抱えて生きていくのが「がんサバイバー」なのですね。
私の友人に、乳がんを患い手術と抗がん剤治療を受けた人がいます。
先日ある人が私と話をしている時、その友人のことを「彼女はがんサバイバーだ」と言いました。
私はそれを聞いて、ちょっと胸がチクリとしました。
友人のことを「がんサバイバー」と表現し、話したことが原因ではないのです。
私が「兄は生き残れなかった=サバイバーになれなかった」と、変な考え方をしてしまったからなんです。
その「ある人」は、私が兄をがんで喪った事を知っているのに、なぜそんなことを言うのだろう?
そんなふうにネガティブに考えてしまいました。
「がんサバイバーシップガイドライン」(国立がん研究センター編)というものがあります。
そこでは「がんサバイバーシップ」を、「がんの状態によらず、がんと診断された後のすべての経験」と定義し、「がんの診断を受けた人は、その瞬間から生涯にわたって、がんサバイバーである。家族、友人、ケアにあたる人々も、当人のサバイバーシップ体験から強い影響を受けるため、がんサバイバーに含まれる」としています。
私も兄のキーパーソンとして闘病に関わった「がんサバイバー」だったのです。
私もサバイバー…そう思うと、少し気持ちが楽になったように思いました。
だけど、まだモヤモヤします。
これって何だろう?
そう思いました。
もうすぐ3回忌を迎えるこの時になってまで、そんなふうに思うなんて。
兄とは特別仲が良かった訳ではないと思うのですが。
ごくごく普通の兄妹だったのに。
「家族の介護をする。」「人を看取る。」
そこにいろいろな思いが生まれるから、そんな気持ちになるんだろうな…。
そんなふうに思いました。