ごきげんよう。きいです。
先日、ある研修に参加した時のこと。
ある病院のある偉い師長さんが、みんなの前で仰いました。
「今の若い子は、先輩の背中を見て育つような子はいないんです。だから全部言葉にしないといけません。」
すごくインパクトのある一言でした。

昔の話
私がまだ新人だったのは30年以上前の話。
今のようにプリセプターシップも無くて、「今自分が抱えている問題を解決するためには、誰に助けを求めればよいのか?」も分からず、ウロウロしていたあの頃…。
助けてくれる人が探せなくて、先輩の背中を見るしかなくて(見ているつもりで、見れていたのかどうかすら不明!)、失敗しそうになった時に、実は先輩方が見守っていてフォローしてくれていたことに気付く…。
そんなことが日常だったような気がします。

それが、教育のカリキュラムが変わり。
新人育成のカリキュラムも変わり。
最初にしっかり教育を受けることで、失敗せず不安を抱えることなく、成功体験を重ね、新人のうちに離職することを防ぐ。
そんなふうに変わったのは、誰の思惑でしょう。
確か私たちよりももう少し上の世代。
医療や看護に求められるものが高まり、技術も高度なものとなり、病床数がどうだの、入院日数がどうだの、患者数がどうだの、救急体制がこうだの。
それも若い子に責任はありません。
師長さん。今は時代が変わったんです。
今は医療の現場に、若い子の試行錯誤や失敗を見守る余裕がない。
そうじゃないですか?
背中を見ているか?
私たちの方に、今の若い子の背中を見守る余裕が無いのではないでしょうか。
私たちの方に、今の若い子の背中を見て育てる人はいるのか?
お互いの背中を見合いながら、ゆっくり成熟する・成熟するのを見守る。
そんな「余裕」が、これから生まれる?
難しいだろうな…。
そう思いました。