病院からの電話

介護の現実

 ごきげんよう!きいです。

 病院から電話がかかって来ました。

スマホの画面に病院名が表示されたのを見てぎょっとしました。

大慌てで電話に出ると、病棟の師長さんからでした。

その内容は…。

電話の内容は…

 家族が入院していて。

 その入院先から急に電話がかかってきた時。

スマホの画面に、病院名が表示されたのを確認した瞬間。

心臓がぎゅっとなりました。

電話に出るのは一瞬なんですけれど、すごく長く感じるのはなぜなのでしょう?

 電話に出ると、師長さんは仰いました。

「お兄様が入院されているのは今、有料の個室ですけれど、無料の個室が空いたので。そちらへ移動されますか?」

 お部屋の移動を希望しますか?という確認でした。

 兄の急変を知らせる電話ではなく、ほっとしました。

お部屋の移動

 「無料の個室が空いた」

 それが意味するのは、きっと「そこにいらっしゃった方が退院された」ということなのでしょう。

無料の個室に入院している方が、好んで有料の個室や大部屋へ移動されることは無いと思います。

 その「退院」が軽快退院か、死亡退院か。

そこにこだわりを感じるかどうか、ということなのでしょう。

私は「はい。是非お願いします」と返事をしました。

「よろしいですか?」

「はい。お願いします」

 病院の個室が空くということが、かなりの高確率で「前に利用された患者様が死亡退院された」ためであるということは、私も十分承知しています。

そこが住むための場所であれば、私もご遠慮したいところですが、場所は病院。

 私は気になりません。

 こだわりがあるわけでもないし、霊感があるわけでもない。

 それよりも、ちょっとしたホテル並みのお部屋代が無料になることがありがたい。

 病院勤務時代には、いろいろな霊的経験をする同級生がいたり、初めての夜勤の前には先輩から「〇時に△△(院内の場所)の前は通らない方がいい」等の申し送りを受けたりしたものです。

 私が経験したのはただ一度。

 死亡退院されたばかりの個室からナースコールが鳴り、その場にいた看護師の中で私が一番後輩だったので対応。

「はい、どうされましたか?」

もちろん返事が返ってくることはありません。

誰かが中で倒れていてはいけないと、必ず確認に行きますが、もちろん誰もいないがらんとした部屋…。

ただそれだけです。

 新しい兄の部屋の窓からは、きれいな富士山が見えます。

夕日に照らされた富士山は、とてもきれいです。

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