ごきげんよう。きいです。
今回は、ある利用者様のこと。
重度の認知症で、寝たきり。以前は尿路感染を繰り返し、高熱を出しては救急搬送を繰り返し、誤嚥性肺炎で高熱を出しては救急搬送を繰り返し…。
現在は胃ろう増設・バルンカテーテル(いわゆる尿管)が挿入されており、退院と同時に訪問看護が始まりました。
病院への入院費はまとめて支払うことができず、分割で支払っているのだそう。
退院後は近くの内科クリニックでフォローを受ける事になりました。
そしてその内科クリニックはバルンカテーテルを月に1セットしか出してくれません。それ以上は自費購入が必要になるので、自宅に「予備用のバルンカテーテル」はありませんでした。
それが先日の夜、バルンカテーテルが詰まってしまいました。
ご家族様から「尿とりパットに多量に漏れがあり、ハルンバックには少ししか溜まっていない。震えていて熱もあるみたい」と相談の電話が入りました。
カテーテルさえあれば、交換は簡単です。
だけど、交換に使う「予備用のバルンカテーテル」はありません。
病院を受診して頂くしかありません。
内科クリニックは診療時間を過ぎています。
夜間救急当番医を受診するか、入院をしていた病院に相談するか。
ご家族様と相談の結果「入院をしていた病院」に相談することになり、受診を受けて下さることになりました。
無事病院でバルン交換が行われ、帰宅された利用者様とご家族様。
その結果を伺ったとき…。
「病院の先生が、詰まったカテーテルを見せてくれました。そして『これかも詰まるようならば、看護師さんに交換してもらったり、洗ってもらうといいですよ』と言いました」とご家族様。
先生が「洗う」というのは、おそらく膀胱洗浄のことだと思います。
カテーテルから滅菌された生理食塩水を注入して、詰まりの原因を洗い流す医療ケアです。
ですが、ご家族様。
「洗う」を「詰まったカテーテルを(水道水かなにか?で)洗い流して、そのカテーテルを再利用する」と解釈されていました。
膀胱も立派な臓器。その中は無菌状態であるべきで、菌が入って繁殖すると膀胱炎や腎盂腎炎等を引き起こします。
バルンカテーテルの交換は、滅菌されたカテーテルを清潔操作で行わないといけません。
それなのに…ああ…それなのに…(涙)
カテーテルを洗って再利用…。
私には、その発想はありませんでした。
結果を伺った電話でのやりとりでしたが、誤解を訂正するためにきちんと説明をさせて頂きました。
そしてご家族様。
「内科クリニックへ報告した時『今月分のカテーテルはどうしますか?』と聞かれたけれど『交換してもらったから、もういいです』と言っちゃいました」って。
いやいやいや。
「月に1本しか頂けないのですから、ここは受け取っておいて、また詰まった時の交換用に使えるようにしませんか?それがあれば、今回のように夜に緊急で受診しなくても済みます」とお伝えしました。
「わかりました。もう一度連絡してみます」と言って頂けましたが…。
受け取って下さったかしら?
説明の言葉って難しいですね。
「洗う」といっても、〝何を?どこを?〟が問題でした!