キーパーソンになりたくない

介護の現実

 ごきげんよう。きいです。

 昨日は私達を悩ませる様々な水面下の活動についてお伝えしました。

 今回は、今まさに悩みの種になっている「キーパーソンがいないご家庭の介護」についてお伝えしようと思います。

介護の世代交代


 介護が長くなってくると、「老々介護だった両親が、そろって認知機能が低下してきた」とか「お父様の介護を支えていたお母様が身体を壊してしまった。」というような事が起きてきます。

 そんな時、今までキーパーソン(主介護者)として頑張って来た方を、誰かが支援する、もしくはキーパーソンを引き継ぐ必要があります。

介護の世代交代です。

 大抵は血縁者のうちの誰かが、その役割を担うことになります。

それはあるところでは、長男さんご夫婦だったり。またあるところでは、一番近くに住んでいるお子さんだったりします。

 大抵は、親御様の介護を以前からサポートしている方が、自然に引き継いで下さることになるのですが…。
 中には引き継いでくれる方がいないことがあるのです。


 
 最近いらっしゃるんです。
「親の介護に全く関心と責任感の無い子供さん」

子供と言っても、40~50代の立派な大人です。

 兄妹でお互いに「兄に任せています。私には子育てがあるので介護は無理です」
「自分は仕事が忙しいので無理です。妹からは何も聞いていません」
…とキーパーソンの立場を譲り合い。

 元々親との関係が悪かったり、家族関係自体が悪かったり。
これはお子さんだけが悪いという訳ではありません。
利用者様であるご本人に理由があることも多々あります。

「仲良し家族でないといけない」とは言いません。
「子供なら親に感謝をして、しっかり介護をするべきだ」とも言いません。

 ただ、何かを判断しないといけない時。契約を結ぶ必要があるとき。
利用者様を支えるチームの、方向性の確認や意思決定を行う時。
どうしてもキーパーソンが必要なのです。

 今まで両親がやっていたのに、急に私がやらないといけなくなるなんて…。
そんなの考えていなかった!

そう言われましても…。これ、みんなが困るんです。

私は過去に<介護をしなくて済む方法ってありますか?~後編~>で、どうしても介護に関わりたくない事情があるのならば、ケアマネジャーへ相談しましょうとお伝えしました。
それをせず「事業所からの連絡があっても無視」「受診に同行が必要と言われても『行けない』と拒否」。
それなのに、同居していたり近所にお住まいで、利用者様の周囲へ出入りしている形跡だけはあちこちに見受けられる。

親の世話にはなるのに、親の世話はしない。
それでは、大変困ります。

 顔を見るのも嫌で縁を切るならすっぱりと切って、両親は両親だけでやってもらう。

両親が生活できなくなったら、施設入所等の方法を考えてもらう。

親の介護をしないという決意をしたら、きちんと決意表明をしてそれなりの保護方法を検討してもらわないといけません。


親の世話にはなるのに、親の世話はしない。
それはダメだと思います。

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